インドネシア 起業の方法と銀行口座 前編


2012.11.26

今朝の日経新聞で国内の地銀がASEAN諸国の銀行と提携を強める方向にあるという記事がありました。

例えば京都銀行や七十七銀行はインドネシアのBank Negara Indonesia(バンク・ヌガラ・インドネシア)と提携をしたそうです。紙面によると「取引先の債務保証をすることで、現地通貨での融資を有利な条件で受けやすくする」「人材交流により現地商習慣を行員に身につけさせる」等の内容でした。

今、在インドネシアの外資系企業がどのような形で銀行から融資を受けているのかは分かりませんが、この記事から読み取ることが出来るのは外資向けの貸出利率は、現状は割高になっているということです。

いずれにしても日本の銀行がインドネシアの銀行と提携することにより、現地日系企業が益々活躍できるようになれば素晴らしいことではないかと思います。

ところで、こういった話は一般的な企業と銀行にはあてはまるものであると思いますが、これからインドネシアで起業をしたいと思われる方には縁のない話です。「インドネシアで起業したい」ということで銀行に行ってもお金は貸してくれないでしょう。

おそらく海外で起業をされる方が一番困るのは、この銀行口座のことではないかと思います。私自身Patiに渡る前、これは非常に難航しました。

最も重要なことは、「インドネシアにどうやってお金を持ってゆくか」です。そして、持って行った後に「お金をどこに預けるか?」ということになります。日本では何ら難儀することのないこのシンプルなこの行為、すなわち「預金と引き出し」も、インドネシアに限らず海外でこれをやろうとすると基本的に手も足も出ない状態になります。

もちろん留学や企業に勤める方の転勤といった理由であれば、現地で口座を開くことは可能でしょう。しかし、このブログをご覧いただく方の中にはひょっとしたら私のように何の後ろ盾もなく、向こうで起業したいという方もおられるのではないかと思います。

そんな方のために私がどうやって現地にお金を持って行ったか、ということを簡単に書いてみたいと思います。

まず申し上げるべきことは、私は銀行、金融関連の専門家ではございません。そのため、的外れな行動や、あまりほめられたものではない行為をしたことは十分承知の上で経験談を簡単に書いてまいりたいと思います。

日本であろうと海外であろうとお金が無ければ企業は出来ません。つまり、現地でお金を使う際、どうやってお金を調達するか?が問題なわけです。最初に私が考えたのは、「日本に居ながらにしてインドネシアの銀行口座を自分の名義で持つことは出来ないか?」ということでした。

もしこれができれば最初に日本からインドネシアの銀行の自分の口座に送金をし、そこから引き出せばいいだけの話です。ところが、この方法はやはり不可能でした。おそらくこれは、留学や企業の転勤者などの状況にある方でも難しいのではないかと思います。

口座を開いてもらう際には日本と同じく現地の銀行窓口に行き、身分を証明する必要があります。また、外国人が現地で口座を開く際にはKITASが必要になって参ります。留学や文化交流、または家族のVISAがある方はこの限りではないかと思うのですが、こういったVISAで起業をしようとする方はおられないかと思いますので、ここでは省略をさせていただきます。

では「KITASを取ればよいではないか?」ということになります。ところがこのKITAS、取得するのはそう簡単ではありません。普通の企業の社員がインドネシアに赴任する際にはこのKITASを取ることは出来るでしょう。しかし、単身でインドネシアに渡り会社を起こすとなった場合、KITASを取得することは出来ません。

KITASを取得するにはまずインドネシア企業の社員になる必要があります。つまり、どこかのインドネシア企業に自分のことを雇ってもらう際に、こう相談するわけです。「自分はインドネシアで起業したい。しかし銀行口座が無い。銀行口座を作るのにはKITASが必要である。そのためにあなたの会社の社員になり、KITASを取得したい。もちろん給料はいりません。税金もあなたに払います。そのかわり私の自由にさせてください・・・・。迷惑はかけません」と。

これを認めてくれる会社があれば、一番手っ取り早いのがこの方法です。KITASを取得し、インドネシアで銀行口座を持ち、自分のお金を日本からその銀行に送金すれば済むだけの話です。

ところが・・・・。このような条件で外国人を引き受けてくれる会社はおそらくないでしょう。社員にするということはすなわち、この外国人の責任をインドネシアのこの会社が引き受けることになるわけです。素性のわからない日本人を彼が起業をしたいからという理由だけで社員にする会社はないでしょう。もちろん日本語を話すことのできる人員確保の為、などの理由で日本人を社員にしたい会社はあるかもしれません。しかし起業のためのKITASが必要という理由では彼を雇うことは出来ないでしょう。

しかし、インドネシア企業の社員になる方法がもう一つ方法がります。これは私がやろうとした方法なのですが、話が長くなりますので続きは次回にしたいと思います。

Bandungから車で1時間半ほど東へ行ったところにSumedangという街があります。西ジャワ州になります。以前この章でお話ししたTahuの街です。この町からさらに山奥に入った田舎町の廃屋を撮影しました。こういった廃屋をインドネシアでは多く見ることが出来ます。

Sampai Jumpa Lagi,

Koki