インドネシア 繁盛しているビジネスは?


2012.10.17

私は現在横浜市内に住んでいますが、住居がある駅から少し離れたあまり目立たない場所に「パソコン教室」があります。

たまにその場所を通るのですが、いつみても満員で、20平米くらいの教室に5人くらいの生徒と1~2名の先生がおられます。生徒はだいたい60歳以上と思しき方が多いという感じがします。とにかくすいているという状態を見たことがありません。

横浜駅の構内やデパートの食品売り場では、行列が出来ている店をたまに見かけます。例えば東口のワッフル店はいつみても列が出来ていますので、たぶんおいしいのでしょう。しかし、おそらく立地の良さも好影響を与えていると思います。

さてそのパソコン教室。立地はあまりいいとは言えませんがいつも満席。サービスの質もたぶん良いのだと思いますが、パソコン教室それ自体のニーズもあったのでしょう。

ところで中部ジャワのPatiに暮らしていると、「ここはたいがい込んでいる」という店があります。Warnetと印刷屋です。

Warnetとはインドネシア版インターネットカフェですが、詳細は別の機会に譲りたいと思います。

駅から離れたパソコン教室の前を通りながら思い出したのは、Patiの印刷屋のことでした。この印刷屋を説明しようと、例えを紹介するのは難しく、おそらく最も近い業態は「キンコーズ」かと思います。もしくはキンコーズよりも付加価値を付けたサービスといってもいいかもしれません。

「!?」

Patiにキンコーズがあるのか?というとそれは、「・・・・」なのですが。確かにあのサービス内容はキンコーズのそれと同じ、と強引に言えないことも無いかと思うのです。もちろんFedExはPatiの印刷屋にはありませんし、FedExはPatiに来る便はありません。

以前、私がPatiで塗り薬のビジネスを行っていたことはこの章で触れましたが、塗り薬のパッケージに貼るラベルやチラシ、名刺などすべてこの印刷屋に頼んでいました。

そのためよくこの店には出入りをしていたのでわかるのですが、他のお客で依頼が多かったのは、Warung(屋台)の垂れ幕でした。その他にも選挙のポスター、結婚式の案内カード、警官になった若者の記念写真を大量に印刷等々、ひっきりなしに客が来るので店員の対応が追い付かず、これ以上客が入らないように、よく店のシャッターを半分閉めていました。

これがWarungの垂れ幕です。”Nasi Gandul”とはPatiの郷土料理です。

お客はまずイメージするデザインを店員に見せます。すると店員はささっとパソコンでデザインをし、その場でお客に見せ、お客のOKが出れば「1週間後引き取りに来てください」ということで一丁上がりです。

彼らの業態は印刷業ではありますが、最終的なデザインも請け負いますので、言い換えると広告デザイナーともいえるかもしれません。キンコーズではおそらくデザインまでは請け負わないでしょう。

ジャカルタに写真家の友人がおります。彼のメインの顧客は大手の銀行や食品会社、広告代理店などですが、「もうジャンジャカ仕事が来て、てんてこ舞いだ」とうれしい悲鳴を上げていました。

LJAインドネシアのWebをアップロードした数日後、インターネット広告の会社からすぐに「広告請け負いますよ」というメールが来ました。

相棒のイカサンに「我々もPatiで印刷デザイン業をやってみようか? イカサンが営業で仕事を取ってきて、自分がデザインする!!」と提案してみたところ、あっけなく「今日は娘の誕生日だから早く帰る」と事務所からそそくさと出て行ってしまいました。

机の上には、あの印刷屋で制作されたイカサンの愛娘の誕生パーティー案内状だけが残りました。

Sampai Jumpa Lagi,[full][/full]

Koki